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Cape Irago 伊良湖岬にて
2008年12月08日(月) 23:21
あおきこういち氏の紀行文


伊良湖岬にて





渥美ミニ紀行 その2

 ◆やしの実が流れついた岬◆

by あおきこういち(ペンネーム)
(著作権はあおきこういち氏に帰属します。)







 翌日は、田原からバスで、

渥美半島の先端に位置する

伊良湖岬を訪れた。

真っ白な灯台のある高台の内側に、

対岸の知多半島や鳥羽とを結ぶフェリーの港があり、

港に面して「道の駅」が設けられている。

「道の駅」で自転車を借りて、自転車道を回ることにした。


注:「道の駅伊良湖クリスタルポルト」は
   「道の駅いらご」でよいのではないか。
    名前はおぼえやすくみじかいのがいい。
     クリスタルポルトやりすぎあそびすぎ。

果てしなく広がる太平洋、

恋路が浜の白い砂浜、灯台、

伊勢湾の入り口の伊良湖水道を通る大型船、

そして上空を輪を描いて滑空する

サシバというトンビの仲間の鳥。

雄大な眺めに目を奪われる。




休憩所やホテルが並んだ一画さえ

見えなければ、

大自然そのままなのだが。

海岸に沿って上り下りする自転車道を

30分ほど走る。

潮風を胸いっぱいに吸い込んで

軽がると自転車をこぐ、

と言いたいところだが、

ふだんの不摂生がたたって

上り坂は息が切れ、自転車を降りて

手で押す始末だ。

途中に海岸に下りる遊歩道があり、

道路わきには観光バスが1台停まっている。

「椰子の実」の歌の2つの記念碑に向かう道だ。

自転車を置いて歩いて遊歩道を下りる。





伊良湖岬は、歌曲「椰子の実」の

歌が生まれた地として知られている。

その歌詞は、民俗学者柳田國男が

岬の近くの浜辺で拾ったやしの実のことを

親友の詩人島崎藤村に話したところ、

藤村がたちどころに作ったと詩のことだ。

作曲家大中寅二が曲を作り、

日本の代表的歌曲となった。



歌詞を読むと、たった一つのやしの実から、

人の心を動かす一編のものがたりを

構成してしまう詩人の想像力の

豊かさに驚いてしまう。


やしの実の育った「異郷」、

それを運んできた「八重の潮じお」、

「いずれの日にか故郷に帰らん」と

思うやしの実の気持ち・・・

思いを馳せながら口ずさむと、

ただの「椰子の実ひとつ」なのに、

身につまされてなにやら涙さえ

浮かんでくるのである。









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